専攻学部(メジャー)を活かさない就職!?
Issue 312
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ August 20th, 2009
Issue 312
CFN|PRESS
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専攻学部(メジャー)を活かさない就職!?

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「私は人類学専攻なので、就職が不安です。」「技術系のメジャーですが
営業職などの就職先はないのでしょうか?」こんな不安や疑問をお持ちの方は
いませんか?また、反対に「経済学部だから就職は金融関係かな?」といった
ように、自分の専攻を元にして就職先の選択をしていませんか?実際どうなの
でしょうか?専攻と関連性のない就職の選択はできるのでしょうか?

◆ メジャーが全てではない

大学で専攻を選ぶ時点で就職のことを考えていない学生は多いと思います。
世間一般には、企業へ就職するのに大学を卒業したほうが有利といわれて
いる中、いざ大学に通うと、あまり就職とは関係のないことを学んでいる
ケースが多いようです。例えば、人類学、美術学、ラテン語など。
「こんなことを学んで本当に就職できるの?」と思うかもしれません。実際、
専門性の強い学部やMBAでない限り、ほとんどの学部は就職を念頭に置いた
授業や教育というよりは、大学院に進む人もいるので、学業(Academia)の
一環として教えられています。しかしこれは決して就職にマイナスな事では
ありません。なぜなら企業側も専門知識以外に様々な能力を選考基準と
しているからです。以下は企業が採用の際、学生に対し期待している
基礎的能力です。

大卒文系の場合:
1)コミュニケーション能力 80.1%、2)熱意 32.0%
3)協調性 28.0%、4)明るさ 24.8%、5)基礎学力 24.4%。

大卒理系の場合:
1)コミュニケーション能力 69.7%、2)熱意 32.5%、
3)基礎学力 29.5%、4)協調性 27.2%、5)専門知識 26.6%
(株式会社ディスコ 2008年10月
「採用活動に関する調査・2008年10月」アンケート結果)

このような能力はどれも評価が難しいように思えますが、履歴書や面接などの
選考プロセスの中で、どのような部分で評価されるのでしょうか? 職種に
関連のある経験(インターンシップやアルバイト)、リーダシップの
ポジション、課外活動、自由選択クラス、職業観、基礎能力、大学での勉強、
興味など様々です。
となると、メジャーの専門性に限らず、コミュニケーションスキル、
行動力、リーダーシップスキル、 物事を論理的に考える力、リサーチスキル
などといった、大学教育全般で学んだ経験が注目されるといえます。いかなる
専攻であっても、社会人にとって大事な分析力、洞察力、柔軟性など、奥の深い
人間性を養うことができます。大学で学んだことは専門知識だけではないので、
このような能力は専攻に関わらず、様々な職種、業種で発揮させることが
できます。

また、専攻とは皆さんの大学生活の一部であり、全てではありません。
これまでの人生全体から考えると、ほんの僅かな部分になります。現在就職
している先輩の中では学生の間に経験したインターンシップ、ボランティア、
アルバイト、課外活動、ネットワーキングなどから、自分の進路先を選ぶ
ヒントを得たという方が多くいます。
一方、採用側は皆さんの大学生活全般を通して、基礎的能力やポテンシャルに
期待している部分が多いと考えられます。卒業時点で既に多くの知識や専門性を
身につけた人を期待しているのではなく、その人が将来どれだけ伸びるかを
見ています。

実際の仕事においての専門性を高めるのは就職してからです。それよりも、
今までの大学生活において自分はどれだけ成長したか、どんな壁や困難に
遭遇したか、そしてどのようにそれを克服していったかなどのアピールの
ほうが重要になってくるのです。

◆ 『好きこそ上手』-自分のなりたい像に近づく

就職後は、企業の中で昇進をしたり、新しいプロジェクト、責任のある仕事を
任されるなど様々な形で評価される機会が多くあります。もちろん一つ一つの
仕事の結果は、環境、景気など外的要因により左右されることもありますが、
最も大事なことは、どれだけ自分が熱意をもって行なえるかです。わからない
ことがあれば調べる、経験が浅ければ人一倍時間を費やしその職務に取り組む、
このような「仕事に対する熱意」は何にもまして、仕事場での時間を豊かなもの
にしていきます。また最初はあまり興味が無かった分野であっても熱意を持って
仕事に取り組むことにより、興味が広がってくるケースも多くあります。
就職前に自分に合った企業・業種選択をすることはとても難しいことであり、
重要なことは「専攻をどう活かすか」ではなく「私はどんな人間になりたい
のか、将来何をしたいのか」をイメージするのが先決だということです。
専攻を元に進路を限定するのではなく、やりたいこと、自分がドキドキする
こと、熱中できるものは何かをまずは考えてみましょう。

これは専門性の高い技術系や会計学専攻などの学生にも同様のことが言えます。
コンピュータサイエンスだからIT業界、機械工学だから自動車、重工業業界
などと決め付ける必要は全くありません。事実、機械工学の学生がIT企業で
活躍するケース、コンピュータ関連学部の出身者が金融や商社など、学部からは
あまり想像がつかない業界で活躍することも多くあります。職務経験がない
大学生にとって、今まで学んできたことは「教科書」、「クラス」での学問で
あり、決して即戦力ではありません。企業に入った後に今までの何倍ものことを
学んでいくと考えると、新卒大学生にとっては一部の企業を除いてすべての
企業が就職対象となるのです。

◆ 最後に

留学生は日本にいる学生より就職活動の不安が多いかもしれません。
『本当に内定がもらえるのか』『いつまで続くのか』といった就職活動の
不安に加え、『正しい最新の情報が手に入らない』『就職活動に対して現実味が
沸かない』などといった悩みは多くの留学生の皆さんが持っていると思います。
しかし就職活動とは学生生活とはまったく違った世界を見て、自分を見つめ
直し、自分の将来を模索し、新しい将来への道と多く出会う時期でもあります。
自分の専攻という枠にとらわれず、より多くの職種・業種を見て、自分の可能性
を精一杯広げてみてください。日本の学生や現地のアメリカ人学生と違って
言葉や学業以外にもいろいろな難関を乗り越え、与えられた枠の外の可能性を
模索してきた留学生の皆さんは自分の道を自分の目で見つけ、自分の力で
切り開くことは長けているはずです。就職活動を怠ること、そして偏見を持った
就職活動で、今までのすばらしい経験が不利になるような環境を作らず、
アメリカやイギリスに初めてきたときの「がむしゃら」な気持ちを思い出して、
チャレンジ精神に溢れた「将来探し」をしていただきたいと思います。

CFN|PRESS / 発行者: DISCO International, Inc.
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